企業理念

ベンチャー企業 創業の想い

ハルタゴールド株式会社研究画像

金の化学とミステリーの虜に・・・

1982年ベルギー、ルーバンカトリック大学で1年間の留学を終えて大阪に帰ってきた私は、以来すっかり金の化学とミステリーの虜になった。この大学で開催された第3回触媒調製国際会議で、銀とマンガン、コバルトとの複合酸化物が水素の酸化反応に高い触媒活性を示すことを発表したところ、米国人技術コンサルタントのブルックス博士が金について実験することを強く勧めてくれた。

ブレークスルーの第一の波

その年のクリスマスをまぢかに控えたある日、3d遷移金属と金との複合酸化物が-70℃のような低温でもCO酸化に驚くべき高い触媒活性を発現することを見出した。これはブレークスルーの第一の波であり、金のナノ粒子の化学と触媒作用についての研究を着火することになった。第2の波は水溶液中でのアルコール類の選択的酸素酸化と気相でのプロピレンと酸素、水素との反応によるプロピレンオキサイドの選択的合成によって拡大した。現在は最初のドラマの第3の波に乗り移ったところであり、不飽和の含酸素化合物やバイオマスの選択的水素化が主要テーマになっている。現在年間1600報を越す論文が金の触媒作用と金触媒に関して発表されているが、1980年代は30件程度であったので、その成長がいかに大きいか理解できる。

次のドラマは何?

首都大学東京風景

それでは、金の触媒作用に関して、この次のドラマは何であろうか? 一つの見通しとして、金の寸法と構造の特異性を基に多くの劇的な発見がなされることが予測される。特に、直径2 nm以下、原子数200個以内の金クラスターの分野が熱い。例として、アルキンの水和には3~5原子のクラスター、-70℃でのCO酸化には13原子からなる正二十面体をMg(OH)2に担持したもの、酸素プラズマをかけても酸化されない55原子のクラスター、シンナムアルデヒドの水素化によるシンナムアルコールの合成で90%以上の選択性を発揮するCeO2に担持された101原子のクラスターなどである。

実用の花が咲き始めた

一方で、金をベースにした触媒の実用化が世界各国で花開いている。日本では2008年から旭化成ケミカルズ㈱がメタクロレインからのメチルメタクリレート(MMA)合成の商業プラントを運転している。触媒としてコア・シェル構造のAu/NiO/SiO2が開発されている。スペインでも金触媒を用いた選択酸素酸化による香料合成のプラントの稼働が始まっている。米国では、DuPont社がパラジウム‐金触媒を用いて地下水の有機塩素化合物の分解除去のフィールド試験を始めている。また、日本のNBCメッシュテック㈱はアルミナ繊維織物に卑金属酸化物粒子を被覆し、さらにその上に金ナノ粒子を担持して、空気清浄器の触媒フィルターを開発している。金触媒にもようやく実用の花が咲き始めた感がある。

ベンチャー起業が必要だと確信

首都大学東京風景2

昨年9月に東京で第6回金の科学・技術・応用に関する国際会議を首都大学東京が主催したが、円高の逆風の中、前回をしのぐ391名の参加があった。会期中に、改めて感じたひらめきがあった。金ナノ粒子触媒の参照サンプルを提供するところがあったら、実験室で触媒スクリーニングをする人は急増するだろう。特に、有機合成をやっている人には気軽に金触媒を使ってみる良いチャンスになる。基本的な触媒特性と微細構造に関する情報が添付されるとしたら、時間とお金の節約にもなる。また、実用化を目指したスケールアップにも対応できる量の触媒を供給することも重要であるが、大学や公的研究機関ではこれが難しい。実用化へのギャップを埋めるためにも、ベンチャー起業が必要だと確信しましたが、決断がついたのは社長にふさわしい人物を紹介された時でした。

stay gold, perform gold

こうして生まれたハルタゴールド㈱ですが、金触媒の実用化の花を咲かせるために、基礎研究や工業化研究の飛躍的発展に貢献できることを目指しております。米国のStevie Wonder の歌に”stay gold”と言うのがありますが、「金のようにいつまでも輝く」の意味です。これに加えて、”perform gold” を会社のモットーにしたいと考えています。「金から新しい機能を創る」集団でありたい。関係者の皆さんのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

 

企業理念

ハルタゴールド株式会社は、首都大学東京発ベンチャー企業として、

  1. 世界の研究機関向けに金ナノ粒子触媒を供給し、多方面にわたる更なる研究の深化と発展を促すこと
  2. 金ナノ粒子触媒を安定的に大量に生産できる方法・技術を確立し、産業界での実用化を促すこと
  3. 金ナノ触媒の学習用教材を開発することで、小学校・中学校を中心とした子供たち(=未来の科学者たち)に化学の面白さを伝え、更なる技術の進化を促すこと

を使命としています。
私たちは、金ナノ粒子触媒という特殊材料を通して、技術の進歩・社会の発展・人々の幸せに貢献していきます。

 

企業の社会的責任

  1. 社会的に有用で安全な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足と信頼を獲得します。
  2. 公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行います。
  3. 株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示します。また、個人情報・顧客情報をはじめとする各種情報の保護・管理を徹底します。
  4. 従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
  5. 環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件として、主体的に行動します。
  6. 「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動を行います。
  7. 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決し、関係遮断を徹底します。
  8. 事業活動のグローバル化に対応し、各国・地域の法律の遵守、人権を含む各種の国際規範の尊重はもとより、文化や慣習、ステークホルダーの関心に配慮した経営を行い、当該国・地域の経済社会の発展に貢献します。
  9. 経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、社内ならびに関係者にその徹底を図ります。
  10. 本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努めます。